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Sinclair QL は、1984年にシンクレア・リサーチが ZX Spectrum の後継として発売したパーソナルコンピュータ。"QL" は "Quantum Leap"(量子跳躍)の略。ホビーストやスモールビジネス市場をターゲットとしていたが、商業的には失敗した。 Linuxの作者であるリーナス・トーバルズは少年時代に Sinclair QL を持っていて、これでプログラミングを学んだ。 == 概要 == QLは1981年、''ZX83'' のコード名で構想された。ビジネス用のポータブルなコンピュータを想定し、超薄型のCRTディスプレイ、プリンターとモデムを装備する設計だった。開発が進んで ''ZX83'' から ''ZX84'' になると、ポータブルにするのは困難だということが明らかになり、通常のデスクトップ型に方針変更した。 Motorola 68008 プロセッサをクロック周波数7.5MHzで駆動し、128KBのRAMを搭載(最大640KBまで拡張可能)し、専用ディスプレイまたはテレビに接続できる〔1 KB = 1024 B〕。ZXマイクロドライブ(シンクレア独自のループ型磁気テープ装置、ZX Spectrum で最初に採用)を2台内蔵している。当時、他社ではより高価なフロッピーディスクドライブを採用していた。インタフェースとしては、拡張スロット、ROMカートリッジスロット、RS-232ポート2つ、独自のQLAN LANポート、ジョイスティックポート2つ、外部ZXマイクロドライブ用バスがある。表示モードは2つあり、256×256ピクセルで8色(RGB)か、512×256ピクセルで4色(黒、赤、緑、白)である。どちらのモードでもメインメモリ上の32KBをVRAMとして使用する。VRAMを2つ用意して切り替える機能がハードウェアにあり、ダブルバッファリングが可能である。ただしこれは標準の128KBの半分をVRAMに使用することを意味し、QLの本来のファームウェアではこの機能を提供していない。本来のオペレーティングシステムであるQDOSの代替として後に登場した Minerva では2番目のVRAMもサポートしている。 内部を見てみると、CPUのほかに2つのゲートアレイ(ZX8301とZX8302)、Intel 8049 マイクロコントローラ(Intelligent Peripheral Controller)がある。ZX8301は画面表示とDRAMリフレッシュを担当し、ZX8302はRS-232ポート(送信のみ)、マイクロドライブ、QLANポート、リアルタイムクロック、8049(同期型シリアルリンク経由)を制御している。8049はキーボード/ジョイスティック・インタフェース、RS-232(受信)、オーディオを担当している〔(なお、元々はZX8302がこれら機能も担当する予定だったが、設計の最終段階で8049を使用することが決まった〔)。 マルチタスク型オペレーティングシステム ''QDOS'' (主に Tony Tebby が設計)は、BASICインタプリタ SuperBASIC(Jan Jones が設計)と共にROMに格納されている。QLにはPSIONが開発したオフィススイート(ワープロ、表計算、データベース、グラフィックス)も同梱されていた。シンクレアは GST Computer Systems にOS開発を委任していたが、結局は自社製のQDOSを搭載して出荷した。GSTのOSは Tim Ward が設計したもので、後に68K/OSとしてアドオンROMカードの形で発売された。GSTがQL向けに開発したツール群は後に Atari ST に移植され、こちらではGSTのオブジェクトフォーマットが標準となった。 見た目は、ZX81や ZX Spectrum と同じ黒を基調としていたが、デザインはより角張っていて、後のZX Spectrum+でも同様のデザインが採用された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Sinclair QL」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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